2015年 6月 の投稿一覧

基本的な銀行の業務

預金を集めることは銀行特有の業務

個人や法人から集めた預金を融資することができる金融機関が銀行です。
消費者金融などでもお金を融資(貸す)ことはできますが、預金を集めるということは銀行のみができる業務になります。

また、銀行は預金を集めることによって他の金融機関にはないサービスを提供しています。
「金融仲介機能」という借り手と貸し手を仲介する機能、「信用創造機能」という預金と貸出を繰り返し預金通貨を生み出す機能、「決済機能」という現金を使うことなく支払いをする機能です。

これら銀行3大機能は、銀行が融資する相手への信用と銀行そのものの信用により支えられています。
銀行が信用されているから預金が集まるために、銀行は豊富な資金が確保できます。
それを必要としているところへと融資するのです。

 

銀行の業務は固有業務、付随業務、周辺業務に分けられる

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銀行の業務ですが、「固有業務」「付随業務」「周辺業務」の3つに分けることができます。
さらに固定業務は以下の3つにわけられます。

「預金(受信)」という、預金者の資産を管理したり保管したりする業務。
「貸付(与信)」という、企業や個人にお金を貸す業務。
「為替(決済)」という、振込や送金といった現金を使うことなく決済を行う業務。

これらは銀行本来の業務と言えます。

また、為替業務については、「内国為替」「外国為替」という2つにさらに分かれます。
付随業務は「債務保証」「手形引き受け」「有価証券売買」といったような、銀行法で定められた固有業務関連の業務のことを言います。
銀行のクレジットカード業務についても、銀行法の改正によって付随業務として提供することが可能になりました。

周辺業務というのは、銀行法に定められていない業務になります。
そういった業務は銀行が直接行えないために、子会社を作ることでサービスを提供したりしています。
「信用保証」「リース」「ファクタリング」等があります。

 

間接金融は金融機関がリスクを負い、直接金融は貸し手がリスクを負う

「間接金融」というのは、金融機関が個人や法人から集めた預金を借り手に貸し付ける融資方法のことです。
間接金融の場合、借り手がお金を返さないリスク「債務リスク」を基本的に金融機関が負うことになります。

「直接金融」というのは、社債などを発行することで借り手が個人や法人から直接資金を調達するということです。
資金を貸す個人や法人が債務リスクを負うということになるのです。

間接金融を担当するのは銀行などで、直接金融を担当するのは証券会社などになります。
会社が大きくなってくると、貸し手自信が債務リスクを判断できるようになります。
正しい情報などが伝達されるようになるためです。
そうなると企業は直接金融による資金調達ができるようになります。

日本では昔から間接金融が主流でしたが、現在では直接金融へと移行する動きが大きくなっています。
これは資金調達コストが安いためです。
なので、銀行は大企業が行う直接金融をサポートする業務の充実を求められています。
逆に、直接金融を行えない中小企業に向けて、低リスクで融資を実施することも求められているのです。

銀行業界における採用とキャリア

銀行の採用は総合職、エリア総合職、一般職という3コースに分かれる

一般的に銀行の採用というのは「総合職」「エリア総合職」「一般職」という3つにわかれます。
総合職で採用された場合は、本部や支部、海外といった場所でいろいろな部署に配属されたり転勤があったりします。
エリア総合職で採用された場合は、本人の同意なく転勤があることは基本的にありませんし、配属先は支店となります。
一般職として採用された場合は、窓口業務やフロア業務、事務業務といったものを本店または支店で担当します。
中途採用も一時期は積極的にありましたが、採用者の定着率が悪かったり、馴染めず問題が発生するなどがあったので、最近では一部部門を覗いてはあまりなくなってしまったようです。

 

銀行の給与は業態と職種によってかなり違う

銀行で働いている人の給与は、職種や業態になってかなり違います。企業の規模が大きければ給与は高い傾向ですし、総合職であれば30代になると給与は跳ね上がりますがエリア総合職は昇進のスピードが遅いですし一般職であれば昇進はほとんどありません。
例を書くと、メガバンクの総合職ならば入社してから数年は200~300万円の年収ですが、30歳頃に「支店長代理」などの役職につけるようになれば500~700万の年収になりその後も役職が上がるに連れて年収も右肩上がりになっていきます。支店長や部長といったクラスでは年収が1300万円以上にもなります。しかし、それは厳しい出世競争に勝ち抜いた人だけです。競争に負けてしまった人は子会社などに出向したりすることになります。

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銀行員のキャリアは転勤とローテーションで色々な経験を積む

総合職は、2~3年に1度定期的に転勤を繰り返します。これは、長い間特定の顧客と付き合って不正融資や横領をしたりするのを防ぐためでもありますし、様々な部門や職種などを経験させるという意味もあります。
通常、転勤は「本店」→「商業地の支店」→「住宅地の支店」というローテーションで行われることになります。業務も「窓口」「渉外」「融資」を順番に担当するようになっています。
こうした配属や転勤の方針を決めるのが人事部になります。銀行では人事部がかなり大きな力を持っていると言われています。総合職の人は上司だけでなく人事部の評価ももらいながらキャリアを重ねていくことになります。
ちなみに、一部の銀行では本人の希望と面接の判断により、総合職とエリア総合職の間で転換を可能にしているところもあります。

銀行業界における売上と利益

銀行の売上は資金運用、役務取引、特的取引などで算出される

銀行の売上は「資金運用収益」「役務取引等収益」「特定取引収益」「その他業務収益」「信託報酬」の合計で算出します。
資金運用収益は個人ローンや企業向け融資などから受け取る利息の合計で、これが売上において一番大きな割合になります。役務取引等収益は振込や決済といったサービスの手数料によるもので、企業向けの融資額が伸び悩んでいる昨今では銀行の新しい収益源となってきています。特的取引収益は、有価証券や金融商品といったものの売買での販売額の合計になります。銀行で生命保険や投資信託の販売ができるようになったので売上が拡大してきています。その他業務収益は、市場業務などその他の業務での売上の合計のことで、信託報酬は証券や不動産を運用して発生した手数料になります。
ちなみに、欧米の銀行と比べると、日本の銀行はその他業務収益力が低いようです。

 

銀行の経費は事情経費と諸経費で構成される

「事情経費」と「諸経費」で構成されているのが銀行の経費です。
事情経費の構成内容は、収益項目ごとに、「資産運用費用」という預金に支払った利息など資金調達にかかった費用、「役務取引当費用」という振込や決済などにかかった費用、「特定取引費用」という有価証券や金融商品などの売買にかかる費用、「その他業務費用」という投資銀行業務や市場業務などにかかる費用というふうになっています。
全国銀行決済によると、このうちで一番多いのは資金運用費用になります。全経費の15%強を占めています。
諸経費というのは、「人件費」という給与など、「物件費」という家賃や運営費、さらに税金などで全経費の半分を占めています。

 

業務純益は銀行の収益力の判断基準となる

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銀行の売上の規模や利益率というのは業態によって大きく違ってきます。
10年度の資料によると、メガバンクが売上2・5兆.3・5兆で利益率20.30%、大手リテールバンクが売上4千億.2・2兆で利益率15.30%、信託銀行が売上高3千億.8千億で利益率20.30%、地銀の上位行が売上高2千億.3千億で利益率30.35% 、インターネット専業銀行が売上高2億.3百億で利益率6.10%程度です。
利益率は業務純益から算出します。インターネット専業銀行の銀行以外では、業務純益のほとんどを占めているのが、資金運用収益から資産運用費用を引いた『資金運用収支』です。なので、役務取引等が中心になるインターネット専業銀行は収益率が低いとみなされます。
しかし、資産運用業務をする銀行は「不良債権」が生じる場合があります。健全性を判断するには不良債権の額や「貸倒引当金」の額も木にした方がいいと言えます。

銀行業界における組織と職種

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銀行の組織は本部と支部に分けられる

銀行の組織についてです。一般的に「本部」と呼ばれるのが本店の各部門です。「支部」と呼ばれる支店などとで2つに分けられます。
本部は主に企画管理系の業務を担っています。プロフィット部門になる「リーテル部門」「法人部門」「国際部門」「市場部門」、バックエンド部門となる「サービス部門」「管理部門」、顧客サポートを目的とした「コールセンター」「ダイレクトセンター」、支店サポートを目的として「サービスセンター」「ビジネスセンター」といった組織で構成されます。
支店は、顧客にサービスを提供したりする営業業務ですが、「預金窓口」「為替窓口」「融資」「渉外」という4つの部署で構成されます。支店によっては1つの部署が兼務していたり、部署がないという銀行もあります。

 

本店で働く市場や管理と、本支店で働くリーテル・法人

銀行には多種多様な業務がありますので、職種も多種多様になります。
リーテル業務と法人業務を担当する人は、基本的に本店と支店にわかれています。リーテル業務においては「営業企画」「販売促進」などが本店、「預金窓口」「ローン」「渉外」「プライベートバンカー」などが支店になります。法人業務においては「営業企画」「融資審査」「シンジケートローン」「投資銀行営業」などが本部、「渉外」「融資」「財務戦略」などが支店になり、それぞれ働いています。
基本的に本店で行われるのは市場業務やサービス・管理業務です。
市場部門で働いている人は「トレーダー」「ディーラー」「金融商品開発」「アナリスト」などが居て、サービス・管理部門では「経営企画」「財務・経理」「総務」「人事」「情報システム」などが居ますし、「コールセンター」「リスク管理」「監査」「コンプライアンス」といった職種もあります。

 

本店はサービス・商品を企画し、支店は提供・営業を担当している

銀行の業務は、基本的に本部が業務・部門ごとに色々な基本方針を立てています。商品やサービス内容を企画し、それを支店が提供したり売り込みをしたりします。支店ではお金や顧客情報を管理するので、ミスがないように事務作業が膨大になります。それをサポートするための機能も本店が提供しています。
国際業務では、個人向けの外国為替業務以外は法人向けの業務がほとんどですので、多くが本店と支店が協力してサービス提供をしています。投資銀行業務という、社債発行といったアレンジなどを行う業務についても協力体制になっていることが多いです。
市場業務についての多くは、本店からの依頼や部門独自の考えで行われます。