2015年 5月 の投稿一覧

銀行業界における関係事業者

金融庁は銀行を管理監督、検査するところ

銀行は規制が多い業種です。
その銀行を監督する機関であり、許認可の権限を持っているのが『金融庁』です。
銀行の経営戦略から業務の方法までを左右する大きな存在になります。

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金融庁の代表的な部署は「総務企画局」という法律を制定し金融制度をつくるところ、「監督局」という外部から経営の健全性を確認するところ、「検査局」という銀行に実際に出向いて検査にあたるところ、「証券取引監視委員会」というインサイダー取引などの不正取引を調査するところなどがあります。
不祥事があり、旧大蔵省が財務省と金融庁にわかれました。
そのおかげで当局の管理・監督方針が、透明になってきたとは言われています。

しかし定期的に実施される「立入検査」では金融庁に楯つくと厳しくなってしまうと信じられています。
なので、検査が始まると調査に対応する本部や一部の支店は関連業務をストップしてまで対応に追われてしまいます。

日本銀行は日本の金融調整機能を担当している

日本で唯一お金が発行できるのは日本の中央銀行である日本銀行だけです。

日本銀行は「日本銀行法」に基いて、半官半民の認可法人です。
その役割は「銀行券を発行するとともに、通貨及び金融の調整を行うこと」と「銀行その他の金融機関の間で行われる資金決済の円滑の確保を図り、もって信用秩序の維持に資すること」です。
代表的な部署は「製作委員会」という金融政策の運営などを担当するところ、「金融市場局」という金融市場調節の実施内容などを決定するところ、「企画局」という通貨及び金融の調節方針を企画するところ、「国際局」という外国中央銀行や国際機関と連絡・調整をするところ、「金融機構局」という信用秩序の維持に関する施策を決めるところなどです。

銀行にとって、一番重要な日本銀行の機能は「金融調整機能」になります。
金融の引き締め・緩和をする日本銀行は「基準割引率および基準貸付利率」によって銀行にお金を貸し、「無担保コール翌日物」の金利を誘導目標まで引き上げたり下げたりします。

預金保険機構や業界団体と、金融行政を答申する金融審議会

日本銀行や金融庁以外にも銀行業界に大きな影響を与えるのが、「金融審議会」という政府の団体です。
内閣総理大臣、金融庁長官、財務大臣の諮問機関になります。
メンバーは金融界や産業界の代表、学識経験者、専門家といった方々がいます。
金融制度の改廃やあり方を審議して政府に答申するのが主な内容です。

「預金保険機構」は国、日本銀行、民間金融機関が出資して設立した団体です。
預金者保護のための基金を、金融機関から保険金として徴収します。
万が一金融機関が破綻した時は、一定の範囲内で預金を保護する目的です。

他にも「全国銀行業界」「信託協会」「全国地方銀行協会」「第2地方銀行協会」などの団体があり、政府へ働きかけたり、銀行業界全体の発展などを図っています。

銀行業界における顧客像

個人と法人の顧客は色々な属性データで管理する

銀行を利用する時は、窓口やインターネットで色々な個人情報を入力します。
銀行には「性別」「年齢」「勤務先」「勤続年数」「預金高」「ローン・借金」「創業年数」などといった色々な個人情報が控えられています。

こうした個人情報データを元に住宅ローンを提案したり、法人であれば新規融資を提案したりします。
特に近年は、生命保険や投資信託といった金融商品の販売やクレジットカードの勧誘などに盛んに利用されています。

しかし、これまでは基本的に待っている姿勢だったので、こうした個人情報データを生かしきれていないのでは、という指摘もあります。

不動産業と製造業は法人向け融資での割合が高い

銀行の法人顧客について、業種別の融資先データが有価証券報告書に公開されています。
銀行によって業態区分に違いがあったりはしますが、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、横浜銀行が一番貸出しているのは製造業です。

しかし、静岡銀行ではそうした傾向は見られません。
メーカーの工場や事務所の所在地と資金需要が連動していると言えます。
建設業と不動産業は『金融庁検査マニュアル』において運転資金の計算式の適用対象外となっていますので、融資が難しくなっていると言われています。
ただ、不動産を担保にできる不動産業は、貸出比率が比較的高く、建設業は軒並み低いです。

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その他の貸出先で目立っているのは、メガバンクにおける金融・保険業となります。
消費者金融などの金融機関から資金を調達し、貸し出すという企業の需要が高いためでしょう。

銀行の個人顧客は西高東低の傾向がでている

個人の顧客についてのデータは個人情報保護などの観点から基本的にどこもほとんど公開していません。
しかし、「日本銀行がマクロデータを「資金循環統計」発表しています。
これによれば、ここ近年は普通預金や貯蓄預金(流動性預金)は増加している傾向で、定期預金など(定期性預金)は若干減っている傾向、外資預金は若干増えている傾向となっています。

地域別に見れば、銀行への個人預金が一番多いのは東京以外の関東です(全体の約22%)。
次点の東京(約20%)と合わせると、日本における個人預金の4割にもなります。
その他では、大阪・近畿(大阪以外)、九州・沖縄が8~10%となり、西高東低に傾向が出ていると言えます。

毎年、日本経済新聞などが銀行の個人向けサービスについての満足度調査を行っています。
近年では、ソニー銀行や住信SBIネット銀行などのインターネット専業銀行の順位が高くなっているようです。

銀行業界におけるサービス像

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銀行のサービスはリーテル、法人、国際、市場の4つに分類される

銀行のサービスを大きく分類すると「リーテル業務」「法人業務」「国際業務」「市場業務」の4つになります。
リーテルは預貯金・信託・振込振替・金融商品の販売、法人は預金・信託・融資・決済振込振替・送金、国際は国際融資・国際決済など、市場は資金運用、といったサービスを提供しています。
ただし、銀行の有価証券報告書ではこうしたサービス区分では発表されていません。
ローンや融資などからの収益である「資産運用」、振込や振替といったものの手数料での収益である「役務取引等」、金利や有価証券の価格変動や市場格差からの収益である「特定取引」、不動産や金銭を顧客から預かり運用する「信託業務」、それら以外の収益である「その他業務」といった、国が定める区分で発表されています。

資金運用収益が、収益の半分以上を占める

全国銀行協会(国内の主要銀行、銀行持株会社、各地銀行協会で構成)では、『預金貸出金』『取引停止処分法人の負債』『手形』『銀行決済』などに関する色々なデータを発表しています。
全国銀行協会によると、全国主要119行の10年度経常収益は15兆5千億円ほどになります。この中で最も高い割合は「資産運用収益」の10兆2千億円です。次いで「役務収益」が2兆6千億円弱で、「その他業務収益」が1兆5億円となります。「特定取引収益」は4千5百億円、「信託報酬」が2千6百億円弱と続いていきます。
前年と対比するとその他業務が増加し、役務取引と特定取引が微増していますが、信託報酬が微減、資産運用は10%弱も落ちています。経常収益で目立っているものはその他業務の中の「国債等債権売却益+償還益」です。これが増減率に対して50%以上の増加となっていて、運用において国債に依存度が高くなっていると言えます。

資産運用益の占める割合は業務状態に寄って異なる

全国銀行協会では、業態別に収益データを発表しています。経常収益は都市銀行(6行)が7兆7千万円弱、地銀(63行)が4兆7千万円弱、信託銀行(6行)が1兆5千万円弱、第2地銀(42行)が1兆3千万円ほどです。
業態によって収益力は大きな差があります。収益の詳細を見てみると、都市銀行は資産運用益の割合が6割と高いですが、役務取引等収益も全体の約2割です。地方銀行などでは役務取引等収益が約8割とかなり高くなっています。信託銀行では信託報酬が15%を占めていて、他の業務に比べると高くなります。
また、ぞの業態でも資産運用収益は下がっています。役務取引等収益が増加していて、特に国債の運用額は増えています。

いろんなサービスを提供する銀行は、巨大な金融グループの中核企業

銀行業というのは『金融サービス』を提供するところです。

金融サービスとは、店舗やATMなどを通じでお金や資産を預かって金利を支払う「預貯金・信託」、お金を貸して利子をとる「融資・ローン」、振り込みや振替を請け負って手数料をとる「為替」などがあります。

銀行は預貯金や融資などを通じ、お金があるところから必要としているところへ循環させる『間接金融』という社会インフラの役割があります。

とはいえ、お金を扱うというモラルと責任が問われるサービスを扱っていますので、日本銀行や財務省といったところから色々な規制をかけられています。

90年代終わりの『日本版金融ビッグバン』によって金融持ち株会社が認可されました。
巨大な金融グループが続々と誕生しています。

現在、銀行はその中核企業として、証券会社やノンバンク系などと連携して色々なサービスを提供しています。

企業融資中心型から複合金融サービス型への移行が求められている

銀行業界は、戦後長く安定成長を続けてきました。

しかし、バブルの崩壊、業界再編、BIS規制の導入、リーマンショックなどがあり、業績は安定しているとは言えません。

ここ10年ほどは基本的に減少している傾向で、01年に20兆円あった収益は10年には15兆円強となってしまっています。

06年から07年度は好決算でしたが、貸し倒れに備えて積立てていた引当金が不要になったために生じた「戻り益」を利益として計上しているためです。

主だった収益である企業融資による収益は改善していないのです。

大・中堅企業が、資産を調達する手段を銀行などの『間接企業』から、社会を発行するなどといった『直接金融』に切り替わってきています。

今後は投資信託や生命保険などの金融商品の販売や為替や債券といったものの市場取引、企業の合併や買収アレンジという投資銀行業務など、多岐にわたるサービスを展開して売上と収益をあげていくことが求められていくでしょう。

取引高の5割を占めるのは3つのメガバンクグループという業界構造

日本には約200の銀行、300弱の信用金庫、150強の信用組合、その他にも労働金庫や農林中金といったものがあります。(11年3月時点)

その中で、総資産が100兆円を越えているのは「三菱UFJファイナンシャルグループ」「みずほファイナンシャルグループ」「三井住友ファイナンシャルグループ」「ゆうちょ銀行」の4社です。

しかし、ゆうちょ銀行は預金高は多いですが、そのほとんどは国債で運用しているので、フルラインのサービスを提供している残りの3グループが一般的にメガバンクと呼ばれています。

銀行業界の取引高を5割をこの3グループで占めています。

総資産が数十億円規模の、いわゆる準大手企業には「りそなホールディングス」「三井住友トラスト・ホールディングス」があります。

かつては企業向けの長期貸付を主体業務としていた「あおぞら銀行」や「新生銀行」は総資産規模が数兆円から数数兆円規模で、大手の地方銀行とほぼ同規格となっています。